当クリニックでは、患者さんに歯科治療に対するストレスや恐怖心を緩和してもらうために「笑気吸入鎮静法」を導入しています。今回は「笑気吸入鎮静法」の簡単な流れと利用するメリット、副作用などについて紹介します。
「笑気吸入鎮静法」の流れ
- 1 患者さんが楽な姿勢、およそ30度ほど身体を起こした状態にします。
- 2 鼻マスクを装着します。
- 3 まず15~20%の笑気を吸入します。
- 4 患者さんの状態をみながら5%ずつ笑気の濃度を上げていきます。
- 5 リラックスした状態になったら治療を開始します。
- 6 治療が終了する少し前に笑気の吸入を終了します。
- 7 治療が終わったらそのまま帰宅することが可能です。
なぜ「笑気吸入鎮静法」が用意されているのか
笑気には鎮静作用と鎮痛作用の両方があります。ですから、笑気を治療に取り入れることで患者さんの歯科治療に対する恐怖心や緊張感を和らげ、心身ともにリラックスさせることができます。また、同時に痛みを感じにくくすることができます。
また、治療の際に気分が悪くなったり、血圧が上昇したりするのはほとんどの場合、治療に対する不安や恐怖心が原因です。笑気吸入鎮静法を取り入れることで、不安や恐怖心を和らげ、血圧の上昇などを防ぐことで治療の安全性を高めることができます。
「笑気吸入鎮静法」の副作用は?
笑気は亜酸化窒素(N2O)のことで吸入麻酔の一つになります。吸入するとすぐに効果が表れ、吸入をやめるとすぐに排泄されます。ほとんどの薬剤は肝臓で分解され、その分解された物質の薬理作用も注意が必要ですが、笑気は体内で分解されることなく、そのまま排出されるので肝臓に負担をかけず、分解された物質について心配する必要もありません。
また、呼吸器や循環器にも負担をかけないので、安全に使用することができます。
<まとめ>
今回紹介した「笑気吸入鎮静法」の流れ、メリットなどを理解いただき、リラックスした状態で歯科治療を受けていただきたいと考えています。