旧石器時代から!? 意外と長い歯周病の歴史(1)

人類進化のイメージ画像

世界の成人の半数以上は歯周病に罹患していると言われています。また2001年のギネスブックに全世界で最も蔓延している病気として掲載されるほど広がっている歯周病。人類はいつからこの厄介な病気と付き合ってきたのでしょうか。

アウストラロピテクス‐アフリカヌスに見つかった歯周病の痕跡

私たちの祖先で歯周病の見つかった最も古い例は、「アウストラロピテクス・アフリカヌス(「アフリカ南部の猿」の意味)」であるとされています。この祖先は200万年〜300万年前に生息していたアウストラロピテクス属の一種で、南アフリカで化石が発見されました。歯周病というと現代病のように思いがちですが、少なくとも200万年以上もの古いお付き合いなのです。

ネアンデルタール人も歯周病に苦しんだ〜楊枝で歯のお手入れ〜

ネアンデルタール人(約25万〜3万年前に欧州と西アジアに住んでいた、ホモ・サピエンスとは別系統の旧人)にも、歯周病の痕跡が見つかっています。

スペイン、バレンシアのコバ・フォラダ(Cova Forada)で、5万〜15万年前のものと推定されるネアンデルタール人の頭蓋骨が発掘されました。この化石には歯が残っており、歯周病の痕跡があったというのですが、驚いたことに、楊枝で歯の手入れをしていたらしいのです。

人類の祖先が楊枝を使い始めた歴史も意外に古く、160万〜190万年前に存在した初期人類ホモ・ハビリスでも歯をつついていた痕跡は確認されているとのこと。ホモ・ハビリスよりも後に生きたこのネアンデルタール人が似たような方法で歯のお手入れをしていても不思議はないのかもしれません。

このスペインに生きたネアンデルタール人の歯周病は、骨が溶けるほどの重症の歯肉炎だったそうで、不快感や痛みは相当ひどかったことでしょう。その歯に残された、楊枝の痕跡。楊枝を歯間ブラシのように使って、痛みを和らげていた可能性があると考えられています。

ネアンデルタール人が歯周病を治療!?

スペインのエル・シドロン洞窟で暮らしていたネアンデルタール人の歯石からは、歯周病の病原菌とともに、ポプラとアオカビの一種のDNAが検出されたそうです。ポプラは鎮痛剤アスピリンの原料になるサリチル酸を含み、アオカビは抗生物質ペニシリンを生成します。そうした薬効を熟知した上で、歯周病等の治療のためにそれらを摂取していた可能性と考えられており、これは楊枝を使っていた以上の驚きではないでしょうか。


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